12月6日、Jリーグ最終節の
東京ヴェルディ-
川崎フロンターレ戦を見に
味の素スタジアムへ行った。
大量点で勝てば優勝の可能性がある川崎F。
負ければJ2降格の可能性がある東京V。
試合は川崎Fが一方的に攻め立て、東京Vは試合時間の大半を自陣ゴール前での防戦。
川崎Fはシュートの精度を欠くなどなかなか点は入らなかったが2-0で勝った。
しかし上位にいた鹿島も勝ったため優勝はならなかった。
一昨年J2に降格し、1年でJ1に復帰した東京Vだったが、
この敗戦で2度目のJ2降格が決まってしまった。
ヴェルディは前身の読売新聞が経営から撤退し、系列の日本テレビが引き継いだが、
その日テレも今年度、本業で赤字を計上。
ヴェルディは今日の最終戦を前に、元日本代表を含む主力の大量解雇を通告、
一部報道では「身売り」(日テレがヴェルディの株を他の企業に放出)まで伝えられた。
試合後、ヴェルディ全盛期を支えた柱谷監督が涙でサポーターに挨拶と謝罪。
だが、「
ヴェルディはなくならないと思います」という言葉が厳しい現状を示唆していた。

スタンドのサポーターは、現場経験がない素人が強化に失敗した、として
フロントを批判する横断幕を何本も掲げ、社長らとの直談判を求めて居座り続けた。
結局説得を受けて撤収したのは午前0時だったという。

私は
川崎フロンターレのサポで、
アンチヴェルディなのだが、
Jリーグ黎明期に強さ、人気、名誉を欲しいままにした名門クラブが
今や2度の下位リーグ降格に甘んじるほど凋落しているのを目の当たりにすると、
何ともやるせない思いを抑えきれない。
ヴェルディ全盛期。
サッカー界においても巨人のように読売による強い支配を望んだナベツネが
当時の川淵チェアマンと何度も衝突する場面が報じられた。
企業色よりも地域密着を旨とするJリーグの理念に反発し、
日テレや報知は地域名ではなく「読売ヴェルディ」と言い続けた。
それも強かったからこそできたこと。
だがかつての北の湖ではないが、強くて憎らしい悪役チームは
競技スポーツの盛り上がりのため存在してもよいのではないかと思う。
大手企業がこぞって協賛した全盛期と違い、味スタのピッチには広告看板は数えるほど。
財政的な問題もあり、巻き返しには数々の困難が予想されるが
現場理解のある経営者の下、時間はかかっても地道にチーム再建を進めてほしい。
いつかまたJ1で若い選手たちの勇姿を見たい。